医科・歯科総合の安全なインプラントを目指して
これからの高齢化社会、多くの方がなんらかの薬を飲んでおられます。このような状況で、歯科だけでインプラントを判断しても良いのでしょうか?
当院は、医師常駐により薬や血液検査など身体の相談を受け、医師とより深い協力によって優れた成功率を誇ります。
インプラントのすべて(最新情報から一般の悩みまで)
インプラントをお考えの方に是非読んでほしいページです。
①インプラントがすべてではない
すぐにインプラントを勧める歯科医は歯科医の負け組だと考えています。
私の患者様でカナダの方がいらっしゃいますが、ただの虫歯なのに、カナダでインプラントを勧められたのです。
決してインプラントでなくて良いと強くお伝えし、ただ冠をかぶせました。
まだ抜かなくても良い歯をポンポン抜いてしまう歯科医師もいますが、当院では根管治療・歯周外科・矯正や再植などを行い、なるべく歯を残し、ご自分の歯で過ごす事を第一と考えてます。
第2臼歯再植例 ⇒ 抜歯逆根充 ⇒ 再 植 ⇒ 完成後2年
②インプラントは数を入れるだけが実績ではない
入れた本数が実績として取り沙汰されるのは、インプラントメーカーぐらいです。
大切なのは、患者様に情報を提供し、いかに安全に行うかです。大人数のドクター体制の医院では、説明や対応がその都度違うドクターやスタッフだったりします。
当医院では、Dr.入江、Dr.森井の2名でいかなる時も患者様に対応致します。
当医院は、月10名程度、年間600~1000本程度のインプラントオペを行っております。
③インプラントの危険性
一番やっかいなのは下顎の臼歯部の下歯槽神経です。
ここを傷付けると麻痺が起こるので必ず距離を確定する必要があります。
次が上顎の臼歯部です。ここは上顎洞という空洞があり、骨の薄い人はそのままでは骨量不足になります。
ソケットリフトやサイナスリフトを行います。
これらの診断にはCTを使います。当院では即日判定することが出来ます。
上顎の失敗はリカバーできますが、下顎の下歯槽神経の損傷はリカバー出来ません。
④安全なインプラントをするには
まず危険なところへはインプラントを打たない事です。インプラントの一般的最短長は8ミリです。
よってソケットで6ミリ以下、下歯槽管では10ミリ以下の距離しかない場合は避けた方が無難です。
どうしてもそこに入れたければ、GBR骨移植となりますが、患者様の外科的負担は増えます。
⑤入れ歯をしたけど、どうしても嫌なので何とかしたい
まずインプラントが適しているかどうか。
インプラントが難しいのに無理をするよりは安全な中で考えること。例えばオペのない義歯に替える。
今ではノンクラスプ義歯でもさらに優れた材料も登場しています。
アタッチメント義歯などもインプラントと同様、不便さはありません。
下顎無歯顎に6本のインプラント
固定式義歯
取り外しが出来ない分歯肉量は少ない
⑥インプラントの追加オプションを色々言われたけれどよく分からない
これらはほとんど骨を作るためのものです。
ソケットリフト 上顎臼歯 | 骨をたたく |
---|---|
サイナスリフト 上顎臼歯 | 骨に人工骨など添加する |
リッジエキスパンション 上下どこでも | とがった骨を広げる |
GBR 上下どこでも | 歯肉内面に膜を張る。骨の増加を促す |
PRP 上下どこでも | 血液の分離成分を使って骨の増加を促す |
骨移植 上下どこでも | 下顎下肢、顎などから採取した骨片をインプラント周辺に植え付ける |
仮骨延長 上下どこでも | 骨をブロックにカットしてネジで引っ張り、骨増加を促す |
これらの処置には特別の道具材料が必要となるが、レントゲン・CT撮影を完璧に行ったとしても、実際の骨の状態で不要と思われたこれらのテクニックが必要となることも多い。
その都度オペ中に麻酔から起こして患者様に説明と同意をとることは不可能である。
よって当院では簡単なソケット、GBR、リッジエキスパンションはいかなるタイプのインプラントにおいても必要ならば無料で行うものとしている。
⑦インプラントはいっぱいあるって本当?
その通りです。ざっと数えて30種類ほどあります。その種類によってかなり性能に差があります。
まず、ノーベルバイオケア社のラインナップが一歩リードしていると思われます。
世界で初めてインプラントを作ったメーカーであり、研究は膨大なデータを持っています。
また、F.D.Aで初期負荷を取得した唯一のメーカーでもあります。
また、プロセラシステムによるジルコニアアバットメントも魅力です。
・Ⅰシステム採用のI.T.Iは2次オペが不要という安定性はありますが、アバットメントの形態不足が一部存在します。
・カルシテック、AQBなどHAコーティングインプラントは骨誘導性に優れていますが初期負荷はかけられません。
・その他のインプラントは無処理の表面構造でなければさほど問題ありませんが、口腔内形成型インプラントは少し時代が古いと思われます。
インプラントの治療(上部構造を含む) 代表インプラントの評価
<評価について>
A:骨とインプラントの結合の安定性
B:アバットメント(上部構造)の安定性
C:審美性(見た目の美しさ)
D:会社(メーカー)の安心度
種類 | 特徴 | A | B | C | D |
---|---|---|---|---|---|
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■GCインプラント <(株)GC> 純国産。 全てのインプラントの工夫を兼ね備えている。 日本人向きのサイズが多い。 |
○ | ◎ | ◎ | ○ |
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■ステリオスリプレイス <ノーベルバイオケア> 解剖学的に理想的な形態。 タイオナイト構造が歯肉にも付着する高い安定性。 トリオヘックスのインナーによりアバットメントの安定性は抜群。 プロセラシステムによりジルコニアの高い審美性も思いのまま。 |
◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
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■AQBインプラント <株)アドバンス> 「再結晶化」 骨の少ない症例・サイナスリフトの症例に適している。 即時負荷は不可。 |
◎ | ○ | △ | △ |
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■POIインプラント <京セラ> フィクスチャーバリエーションが多い。 一般的な補綴方法の全てを網羅している。 |
○ | ○ | ○ | ○ |
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■ITIインプラント <大信貿易> 1回法インプラントの代名詞。 骨安定性に優れている。 スタンダードタイプはやや古い設計。 代表的インプラント |
◎ | ○ | ○ | ○ |
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■アストラ <デニックス> TiOblast処理が高い審美性を保つ。 アバットメントの弛み防止。 |
◎ | ◎ | ◎ | ○ |
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■エンドポア <東京歯科> 表面多孔質。 テーパー付与による安定型。 サイナスリフトなど骨極細に適している。 即時負荷に難 |
○ | ○ | ○ | ○ |
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■ブローネマルク <ノーベルバイオケア> オッセオインテグレーションの基本インプラント。 アウターヘックスが特徴。 数々のインプラントの指標となる。 |
○ | ○ | ○ | ◎ |
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■プラトン <株)プラトン> 1回法と2回法を持つ。 操作性が複雑。 日本人向けの幅。 TypeⅣ(プロ)は即時負荷可 ジルコニアアバットメント不可 |
◎ | ○ | ○ | ○ |
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■カルシテックス <株)白鵬> HAコーティングの代名詞的存在。 高い安定性を持つ。 サイナスリフト向き。 GBR・アパタイトとも親和性が大きい。 |
○ | ○ | ○ | ○ |
⑧歯ぐきを切らないインプラントって本当に出来るの?
出来ない事はありません。しかしかなり骨がしっかりしていて抜歯から数年経っていないと難しいことが多いです。
これはCT分析して骨の形を確定しガイドを使って直接ドリルする方法ですが、日本人の骨は薄く小さいものです。
さらに歯周病や虫歯で骨が減っていてはなかなか上手くいきません。
歯茎を開いて直接骨にドリリングしても骨がオーバーヒートすることもあるのに確実に入ったと言えるかどうか確定しにくいと思います。
⑨オールオン4(フォー)はどんな方法?
これは歯がなくなった人(無歯顎)に対して、たった4本のインプラントで歯を支えて、固定できるという方法です。
実は私はあまりお勧め致しません。
まず日本人の骨は薄く少ないのが現実です。
さらに前歯部斜めに入れて支えるですが、時間が経つと臼歯部が歪んだり、物がよく詰まったり。シーソーのように揺らされて、外れる、割れる、壊れるといった事が起こり易いのです。
一般のインプラントでも、いや、一般の差し歯でもこのようなことがあり得ますが、問題は一か所、そうなると全部換えなければならないということです。
私は固定するなら6本以上か、マグプラントなどI.O.D義歯を勧めています。